内浜ジャーナル
名古屋市瑞穂区内浜町にある「すずき内科クリニック」の鈴木馨医師のブログです。病気の説明や私の趣味などを語っていきたいと思います。
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> アーカイブ - 2015年08月
自己流栄養学
私の行っていた大学の講義には「栄養学」というものは一切ありませんでした。一般の方から見ると信じられないでしょうが本当に医学部に栄養学の講義はありませんでした。
内科系の教科や公衆衛生で栄養障害からくる疾患の項目はありましたがまとまった学問としては習っていません。しかも栄養不足から来る疾患は過去のものといった扱いでした。
医食同源という言葉があるくらい健康と栄養、食事は深い関わりがあるということは間違いないでしょう。栄養学が大事なことは間違いないと思います。
私は2年以上従来の栄養学から見れば非常識なはずの糖質制限食を続けています。
体調に問題はなく、むしろ調子が良いので続けているのです。
しかも糖質制限食はほとんどの成人病の予防になり、アンチエイジングにもなると信じています。
その体験から自分流の栄養学(学というほどのまとまりではありませんが)を思いつきました。
以下にその要点を述べます。
1.体を構成している重要な部分はタンパク質である。
動物の体はタンパク質でできていると言って良いでしょう。その構造を決めているのが遺伝子の情報です。タンパク質の組み立て方でネズミにも人間にもなります。内臓も脳も筋肉も顔かたちもタンパク質で構成されています。さらには体の異変、病気に対応する重要な酵素や免疫もタンパク質でできていますからもっとも大事なものです。
タンパク質をたくさん摂ることは栄養の基本だと思います。
ミドリムシを食品として注目したユーグレナ社社長の出雲充氏は貧困と栄養失調に悩むバングラデシュを訪問し彼らが主食(米など炭水化物)は十分に食べていることを見て驚きミドリムシを食品に開発することを思いついたそうです。主食(炭水化物)では病気に対応できないのです。戦後日本人の寿命が大幅に伸びたのはタンパク質をたくさん摂るようになり病気への抵抗力が増したからでしょう。昔、秋田県では脳卒中(脳出血、脳梗塞)が非常に多く対策として塩分制限を県民に周知徹底させて脳卒中が減ったと言われていました。ところがあとで研究してみると塩分の制限よりタンパク質をたくさん摂るようになったことの方が脳卒中の減少に貢献していたとのことでした。
タンパク質、つまり肉や魚や大豆をいっぱい食べることは健康に良いことなのです。
2.油脂を摂りましょう。
糖質制限食では炭水化物を摂りません。よって体を動かすエネルギーは脂質から取るようになります。ブドウ糖でなく油を動力とするのです。
一般的に脂質は悪者扱いされてきました。成人病が増えたのは欧米型の食生活となったからである。脂質を摂りすぎて高脂血症、高血圧が増えた。という批判をよく目にします。
しかし、検討してみると欧米人の肥満の原因は脂質の摂りすぎではなく炭水化物のせいだったのです。アメリカ人はポテトが主食というくらいポテト類を食べます。(そもそも欧米人には主食という概念はありませんが。)これが肥満、成人病の原因だと思われます。フランス人は多量にバターなど油脂を摂りますが比較的炭水化物は少ないので肥満も少なく心臓病も少ないのです。
前回も述べましたが脂質の中でもトランス脂肪酸は絶対にさけてください。オリーブオイル、バターは安全です。
油脂はケトン体という物質になってエネルギー源となります。糖質制限をしているとき血液中のケトン体は当然多くなります。重症糖尿病の中にケトアシドーシスという病態があります。命にかかわるものです。これを単純なケトン体上昇と混同して糖質制限は危険であると、的外れな批判をしている医師がいますが、まったく医学知識の欠如としかいえません。胎児新生児のケトン体は基準値より20~30倍の高値です。胎児は主にケトン体をエネルギー源として使っています。当然妊婦が糖質制限ダイエットをおこなって血中ケトン体が高値になっても心配ないということです。
また以前CMで脳のエネルギー源はブドウ糖だけと言っていましたがまったくの嘘です。脳でも筋肉でもケトン体をおもなエネルギー源として使っています。
3.野菜を摂りましょう
野菜はビタミンC、食物線維を摂るのに必要です。その他健康に良いと言われるベータカロテンや抗酸化物質などを含みます。
野菜が生きていく上で必須かどうかは不明です。厚労省は1日350g以上摂るように指針を出していますが科学的根拠は不明です。
極端な例ではイヌイットやマサイ族は野菜を食べません。ビタミンCは動物の血や内臓から摂っているようです。
しかし、健康で長生きを目指すなら野菜は多く摂った方が良さそうです。葉物野菜には糖質は少ないですし。
また食物線維を多量に摂れば腸内細菌叢も変化してきます。
以前にも自家製青汁だけで健康に何十年もやっている方の著書を紹介しました。おそらく草食動物と同じような腸内細菌叢に変わっていて栄養を得ていると思われます。また腸内細菌はまだ未知の健康効果があると思います。
やはり野菜はたくさん摂った方が良いでしょう。
以上自己流栄養学でした。
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[ 2015/08/05 11:01 ]
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