内浜ジャーナル
名古屋市瑞穂区内浜町にある「すずき内科クリニック」の鈴木馨医師のブログです。病気の説明や私の趣味などを語っていきたいと思います。
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> アーカイブ - 2015年09月
死生観
いきなり不吉なことを申し上げますが、人間の生き方の根本にあるものは死であると思います。
つまり死を意識するところからその人の生き方、考え方、振る舞い方が決まると思います。生き方は死について考えることから始まる。つまり死生観です。
すべての学問も死生観から始まっているものと思います。
医学上の絶対真理は「すべての人間は必ず死ぬ」ことです。
このことに気づいて、そこからいかに生きるかの基準を導き出す。
これこそがすべての日常の行動、思考法、学問の目的などなどの源泉になっています。
少なくとも小生にとっては死生観こそ生き方の始まりでした。
そもそも小生が初めて死を意識したのは幼稚園入園の頃です。入園前から家で飼っていたネコがいました。遊ぶのも寝る時も一緒の初めての親友でした。今でもその姿、鳴き声、柔らかい毛、耳や肉球の感触を思い出すことができます。そのネコが突然死んでいなくなってしまったのです。友達と遊んでいても何度もネコのことを思い出し、こうして遊んでいる誰にでも死が訪れることを繰り返し思っていたものです。
それから時が経ち、中学校1年生の時父親が胃がんで亡くなりました。子供にとってあまりにも過酷な状況です。
ここで人間、生命、存在の不確かさについて思い知らされました。
哲学用語で言えば存在論的不安に直面したわけです。
自分が消滅してしまうという事実からいろんなことを人間は考えます。
まずあの世はあるのかということを考えます。
次に自分の存在を少しでも現世に残すためにはどうするかを考えます。子孫を残す、文章や芸術作品を残す、人の記憶に残るような仕事や記録を残すなどを考えます。
そして、現世でいかに生きるかを考えます。誰にとっても限られたこの世での時間をいかに使うか、どのように考え行動するかが死生観から決まってきます。
誰の人生も死をもって終了すると考えるなら、さまざまな人生上の苦痛も解決法が見つかります。相当な苦境、悲しみも自分が死んでしまったあとまでは続きません。そう考えれば自分だけが苦痛を受けているという悲観的な考えから脱することができます。逆に喜びもこの世でだけ味わえるものだと思えば素直に喜びを感じられます。
私個人としてはこの世での生命が終わってもタマシイは肉体を離れて、どこかわかりませんが天界に行くと信じています。そう思えば(私は真実と信じていますが)さらに楽天的に生きていけます。
人間は死んだら消滅しておしまいなんだ、というところで思考停止してしまうと虚無的な人間になりろくなことはありません。
悲観的な生き方になります。
それでも人間にはよりどころが必要なので、心のよりどころを別なもの(例えばカネ、地位、怪しげな宗教)に求めたりして「真・善・美」を見失ってしまいます。
H27.9.30
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[ 2015/09/30 11:31 ]
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