内浜ジャーナル
名古屋市瑞穂区内浜町にある「すずき内科クリニック」の鈴木馨医師のブログです。病気の説明や私の趣味などを語っていきたいと思います。
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> アーカイブ - 2017年08月
草枕と坊っちゃん
夏目漱石生誕150周年です。
記念に、という訳でもありませんが、最近夏目漱石の作品を再読してみました。
漱石と言えば、「坊っちゃん」、「我が輩は猫である」がもっとも有名です。
私も中学生の時に、この2作を読んでいます。
「草枕」は確か高校生の頃読んだと思います。
「坊ちゃん」と「草枕」は、同年(明治39年)に発表された、漱石初期の代表作ですが、まったく作風が違っています。同一作者なのかと思われるほどの違いです。
無鉄砲で、不器用で、曲がった事が嫌いな主人公が、教員として松山(と思われる場所)へ赴任した騒動を描いた「坊っちゃん」は現在でも、もっとも読まれている作品でしょう。
再読してみて。読後感は、中学校の時に読んだ感想と同じものでした。
こんなKYな人が周囲にいたら迷惑だろうな、というものと、自分にもこういった一面があるのに坊っちゃんのように発散はしていないな、というものです。痛快と言えば痛快ですが、実社会では迷惑な人でしょう。
それと、おもに舞台になっている松山の事がびっくりするほどぼろカスに書いてあります。何しろ、最後に辞めて帰る時に、「この不浄の地を離れた。船が岸を去れば去るほどいい心持ちがした。」と書いてあるほどです。
松山市は坊ちゃんを観光の目玉にしているというのに。
この作品はあまり難しい言葉は使っておらず、中学生レベルでもよく理解できる作品です。
一方で、「草枕」。
旅の小説です。
「坊ちゃん」も旅小説の一種と言えますが、「草枕」は読む人を別世界に連れて行ってくれる、本物の旅に行った気分にさせてくれる、実に心地よい小説です。
近代文学の中では屈指の名作だと思います。
舞台は熊本の山中の宿。主人公は絵描きという設定になっていますが、文章のほとんどは東西の芸術論です。
漱石の漢学好きのせいか難しい漢字熟語が連続して出てきます。それらの漢字熟語を辞書で引いても、引用出典が「草枕」だけという熟語も多いので覚えておいても後々役に立つわけでもなさそうです。
芸術論、難しい漢字。このような点から、「草枕」は「坊っちゃん」に比べて一般的な人気は出なさそうです。
それでも、「草枕」は心地よい、漱石の名作として何度も読んでみたい作品です。
[ 2017/08/01 17:45 ]
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