内浜ジャーナル
名古屋市瑞穂区内浜町にある「すずき内科クリニック」の鈴木馨医師のブログです。病気の説明や私の趣味などを語っていきたいと思います。
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> アーカイブ - 2017年08月
豊臣秀吉
応仁の乱以降、100年以上にわたる権力者不在の戦国時代を終結させ天下統一を果たしたのは豊臣秀吉です。
もちろん、織田信長がほとんど統一寸前まで持って行ったのですが、信長の路線を踏襲したと言え、卑賤の身から大出世した秀吉が一代で天下を統一したことは事実です。
さて、ちょうどその頃は、西洋人(ポルトガル、スペイン)の大航海時代に当たります。
西洋人はおもにスパイスが欲しくて南アジアを目指しましたが、ほかにも、商売になるものならなんでも扱いました。
日本がいちばん欲しかったものは火薬の原料になる硝石です。
種子島に鉄砲が持ち込まれ、それを二丁買った戦国時代の日本人はあっという間に自国生産を始め、数年後には世界一の銃保有国となってしまいました。
ところが、銃は自国生産できても火薬の原料になる硝石だけは輸入に頼らなければなりませんでした。
それでは、日本からは対価として何を支払い、あるいは輸出したのでしょうか。
日本は有数の金産出国でしたが、西洋人には不要だったようで、銀、銅や硫黄が輸出品でした。
さて、それ以外に重大な輸出品があったのです。
なんと。それは人間です。奴隷として売っていたのです。
誰が?
もともとは貧困のため親が売ったのかも知れませんが、最大の首謀者はキリシタン大名です。火薬欲しさに自領民を売り飛ばしたのです。
ローマ教皇に会いに行った少年使節団も、世界各地で日本人奴隷を目撃しています。
そこで秀吉です。
日本人が奴隷として売られている事実を知り、激怒した豊臣秀吉が、1587年7月24日にイエズス会の副管区長のガスパール・コエリョに対し、
『予は商用のために当地方に渡来するポルトガル人、シャム人、カンボジア人らが、多数の日本人を購入し、彼らからその祖国、両親、子供、友人を剥奪し、奴隷として彼らの諸国へ連行していることも知っている。それらは許すべからざる行為である。よって、汝、伴天連は、現在までインド、その他遠隔の地に売られて行ったすべての日本人をふたたび日本に連れ戻すよう取り計らわれよ。もしそれが遠隔の地のゆえに不可能であるならば、少なくとも現在ポルトガル人らが購入している人々を放免せよ。予はそれに費やした銀子を支払うであろう。(ルイス・フロイス「歴史」)』と、手紙で命令しています。
この文面を見れば、政治家としての秀吉の優秀さが分かります。
天下を取る、ということは日本一の権力者になることです。
それは、民衆を思うがままに動かせる、民衆から搾取をできると言う意味ではありません。
天下人が民衆を守る責任を負った、ということです。
自国民の安全、食料確保、治安を守るということです。その点、まったく現在も変わっていません。
この手紙には、はっきりと、そういった秀吉の自覚が読み取れます。
自国民が奴隷として他国に売られる、ということに強烈な怒りを表明しています。
そして、国際ルールというものも分かっており、自分の失策でもないのに対価を払うと書いています。
やはり、秀吉は郷土の誇る日本有数の優れた政治家です。
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[ 2017/08/29 17:06 ]
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